MEISTER QUALITY
ガラス - 水中のような透明な世界
現在に至るまでガラスの技術は世界中で発展してきましたが、戦前の日本ではガラス文化は舶来品としてのイメージが強く、切子などの加工技術の発展が主となっていました。しかし現代では、向上した高い技術をもとに細やかな独自の表現を生み出す、世界に誇る繊細な技術のひとつとなっています。
FIGURE STAGEのガラスたちも、高い技術力とデザイナーの豊かな表現力により圧倒的な存在感を放っています。炎に包まれながら高い純度で生成され、完成時には人工物とは思えないほどの氷のような透明感を秘める、そんな自然の美まるごとを内包したかのような深みのある造形は、まさに日本の美そのものを体現しているのではないでしょうか。
FIGURE STAGEでもその表現力は如何なく発揮されています。フィギュアの美しさを最大限引き出すために、柔らかな浮遊感のある光でフィギュアを包み込むような、女性的な美を含んだ設計をガラス表現に取り入れました。直線的なライティングでは出せない肌や髪の質感、表情など、儚い独特の世界が広がります。
澄み切った波立つ水面ようなステージに降り立った彼女たちは、どのような顔で微笑むのでしょうか。
和紙 - うつろう光に宿る日本の精神性
光が変化するとがらっと違う質感が浮かび上がり、見る者の心を掴んで離しません。とどまらずにうつろっていく、変化を恐れない芯のある美しさ。その尊さを肌で感じた人々が、そこに神の存在を見たのかもしれません。
FIGURE STAGEでは、そのうつろう光の表情があなたのフィギュアに新しい魅力を与えます。あえて表面に凹凸を波のようにつけ透かせた特徴的な質感が、変化する光の色を柔らかに拡散し繊細な色彩を作り上げ、あなたのフィギュアに合わせた絶妙な演出を可能にしています。手作業で丁寧に漉かれた和紙から漏れる光は、あなたとあなたのフィギュアに見たことのない美しい世界を魅せてくれるでしょう。
鏡面 - ステージに広がりと新しい視点を
FIGURE STAGEは360度どこからも鑑賞可能であるため鑑賞角度の制限はありませんが、さらに下部に揺らいで映るあなたのフィギュアの像には他にはない愉しみや空間の広がりを感じさせる美しさがあります。底部からの光も優しく透過し、あなたのフィギュアに肌質まで感じさせるような自然に近い光の拡散性を持ち、また、鏡の部分は光の強さによって輝いたり影になったり、複雑な変化を魅せてくれます。
凪いだ海のような鏡面に映る彼女は、実物とは違った表情をしているかもしれません。
光 - 混じり合う光と光
LEDによる赤・青・水色・桃色・緑・紫・白の7色の光は、本来は鮮やかで濃い色彩ですが、ガラスと和紙を通すと不思議と暖かで柔らかい光へと変化します。光はFIGURE STAGEの表情を変化させますが、FIGURE STAGEもまた光を変化させるのです。日向のような光と混じり合う色とりどりの光は、それぞれ雄大な自然を思わせるような繊細なグラデーションを作り上げます。
“不知火”は柔らかい温もりのあるグラデーションが青空や夕焼けのような情緒のある表現を作り出せますし、”永遠の影”は黒い和紙の表情をがらっと変える鮮やかな色彩の変化が楽しめます。
空、海、森、異空間、喜び、寂漠。
複雑に混じり合うFIGURE STAGEの光だからこそできる表現があります。
触れないふれあい
温度、柔らかさ、空気の動き、質感など、手で読み取れる情報の範囲は膨大です。愛しいものを撫でる時、おそらくあなたは直接手で触れたいと思うはずです。触れられなかったとしても、手を伸ばして対象に近づくことで感覚が鋭敏になるなど、人間の感覚は感情と神経が強く結ばれた関係性にあるといえます。
今回のFIGURE STAGEも、フィギュアを大切に思うあなたの気持ちを大切にしたいと考えました。スマートフォンやアプリから遠隔操作できる面白さではなく、あえて肉体的なアプローチを加えることで、より密接なインタラクティブ性をもってフィギュアとの関係を深めるために、”手”という最強のデバイスを用いることにしました。あなたがフィギュアを愛でるように手をかざし、撫でるように空中を泳がせるだけで、ステージの色、明るさを繊細に変化させることができます。ステージにもフィギュアにも触れる必要はありません。あなたの動作を理解し、インタラクティブに返してくれるステージの反応は、操作というよりコミュニケーションなのかもしれません。
包み込む光の変化でうつろうフィギュアの表情は、まるであなたの愛情に応えているかのようです。
サウンド – 手のひらで聴く音たち
キャラクターの主題歌やストーリーボイス、BGMとしての使用など、あなたの演出次第で可能性は無限に広がっています。音を操作しながら光を変化させることも可能です。あなたのフィギュアの新しい一面を発見することもあるかもしれません。ドラマチックな世界をどうぞお楽しみください。
デザイン - 五感を刺激する日本の美
そしてそんな一見真逆の質感のようなガラスと和紙が醸し出す調和に、私たちはオタク文化と日本の伝統的な美の文化を融合できる可能性を感じました。まるで太陽と月のような、陰と陽のような、正反対に思える組み合わせの中にふたつをつなぐ一筋の光のような道筋が見出せるのです。
ステージのデザインとしてもさまざまな調和の可能性を考え、柔らかい印象の白色の和紙と華奢なガラス層が特徴的な”不知火”、深い森のような印象的な影を作り出す黒い和紙と鏡面の質感が映えるガラス面が特徴的な”永遠の影”という異なった印象をもつ2つのコーディネートを用意しました。どちらも全く違った表情にも関わらず優しく静かな和の空気感がフィギュアに新しい風を吹き込んでいます。
あなたのフィギュアライフがより幸福なものとなりますよう、この特別なステージを捧げます。
アトリエ・テクノフォルム
アトリエ・テクノフォルム